日本での幸せライフレシピ
ヒュエンさん・ミス在日ベトナム人青年団
日本に来たきっかけは何ですか?
私が日本へ来たのは「縁」によるものです。幼少から、日本、軍隊の厳格な環境や、モデルの世界が私の憧れでした。
私は故郷ベンチェの高校を卒業後、軍事技術学院への進学を目指しましたが、入試に落ちてしまいました。
私は18歳の頃、ベトナムのミスコンに参加したこともあります。
結果は、2016年「ミス椰子の地」上位20位内(「椰子の地」はベンチェ省の愛称)、2018年「ミスSea Vietnam Global」上位40位内に入賞しました。
しかし、私を大切に育ててくれた家族は私を心配し、この芸能の道を支持しませんでした。20歳の時、私は家族を安心させるために日本に行って自立し、家族を支えることに決めました。
現在、何のお仕事をなさっていますか?
現在は、千葉県各地に大小のスーパーマーケットを13店舗展開している株式会社ナリタヤにて働いています。
3年前までは、日本に来て学習・働くことは今ほど一般的ではありませんでした。入念な下調べの後、私は実習生として日本に行くことを決めました。
製品の梱包、インスタント食品の製造、弁当、寿司、パン作りなどを行っています。
日本で学んだことのうち、最も良かったことや、強く印象に残ったことは何ですか?
家元を離れ、遠い異郷の地へ行く際には多くの不安もありました。しかし私にとっては「桜色の日本」でもあったのです。
日本に来て最も印象深かったのは、環境、衛生、美しさと、縦横無尽に走る地下鉄や、500km/hで走行する新幹線、そしてコンビニ、スーパーマーケット、都市から農村までの路上に漏れなく設置されている自動販売機、 巧み、丁寧で思慮深い人付き合い、 年間行事、特に夏の河辺で催される花火大会など 。
花火大会では皆で集まって歓談、飲食を行うとともに、1時間に渡って続く美しい花火の光景を楽しみます。ベトナムでは何らかの行事に立ち会った際にのみ花火(爆竹)が見られますが、日本では夏の間は、私の部屋からでもどこか遠い所で打ち上げられている花火が見えます。
その他にも「茶道」、日本の特徴的な伝統、 転倒した際や、通学時に見られる日本の児童の自立性 、 景色も素晴らしいです。桜、コキア、黄葉・紅葉など、いずれの季節においてもその風物詩が見られます 。
そして絶対に忘れられないのは、近所の方々や同僚をはじめとする私の周りの日本人の良心、親切さ、気配り、親密さです。
故郷を遠く離れ、家族が恋しくなることや、疲れ、困難も多々ありますが、同僚の方々からの応援を受けて心が温まり、引き続き精進することができています。
私の会社でのベトナム人は周囲の方々によくしていただいています。働きはじめの頃は、同僚から沢山の助言、教えをいただきました。
例えば、同僚のNさんは3人のベトナム人従業員を特に労り、各季節に合った衣服を贈ってくださります。野菜や果物のお裾分けもいただくほか、私達に日本食をお作りになり、試食させてくださいます。
また、Sさんは私をご自宅にお招きくださり、ゴルフ、日本語や日本文化をご教示くださいます。
日本で夢を実現する過程で、どのような困難に遭遇しましたか?
来日直後はホームシックの為、よく日記を書いていました。
仕事は朝6時半に始まり、残業することもあるので、勉強に充てられる時間は限られています。それでも、隙間時間を使って新しい単語などを学習しています。まだ半人前ですが、常に新しい語彙や文法を覚えたり書き留めたりしています。書くことが好きなので、漢字を学び、書くことも私の趣味です。
困難以外に、多くの機会も得られました。2020年には、お台場にて開催されたミスVYSA(在日ベトナム学生青年協会)で幸運にも2位に入賞しました。VYSAでは沢山の方々と交流し、活動的で創造的な留学生の方々と有意義な企画に参画しています。
今後の短期的/長期的な計画をお聞かせいただけますか?
11月8日、私は3年間の実習を修了しましたが、会社にもう2年お世話になる事になりました。実は将来に向けて温めている計画があるのですが、このお話は形に成るまでお預けさせてください。
日本にいる皆様、特に同業の方々へのメッセージをいただけますか?
日本で勉強や仕事をしているZ世代の皆さん、常に頑張っていきましょう。日本は学習、修練、自己研鑽に適した環境であり、住みよい国です。
「日々、1%の向上のために尽力し、絶えず励め」―Happy Live創設者兼CEOファム・レ・タイ氏
自分を他の何者とも比較しないでください。比較は無意味です。それよりも、自分自身の最善版であることを心掛け、それに自信を持ってください。
最後に、次のようにお伝えしたいと思います。
運良く現代的、先進的で豊かな国に来られたのですから、善く生き、沢山努力し、日本の方々が、この地で活躍する各組織、留学生、実習生に好ましい印象を持てるようにしてください。
私の母はよく「優しくあれば、好い事あり」と言っていました。私もそれを胸に行いを正し、ベトナム人の美徳を日本に広めたいと思います。