日本での幸せライフレシピ
法政大学人文科学科・修士2年生の
グエン・ティ・タン・トウェットさん
1. 日本に来たきっかけは何ですか?
ハノイ大学の日本語科で学んでいた頃から、日本に留学して日本での暮らしを経験してみたいと思っていました。大学3年目にはスピーチ大会のために1週間日本に行き、日本の学生達と交流する機会を頂きました。その時の好印象から再び日本に行きたいという思いに駆り立てられるようになり、大学4年の時に日本の修士プログラム選考に応募し、幸いにして通過しました。
2. 現在、何のお仕事をなさっていますか?
法政大学人文科学科の修士2年生です。
3. 日本で学んだことのうち、最も良かったことや、強く印象に残ったことは何ですか?
「旅は知性を広げる」とはよく言ったもので、日々大学、会社、周囲の人達から学びを得ることができて、とても嬉しいです。日本で最初に学び、今でも心に刻んでいることは、時間遵守意識です。電車をはじめ、交通機関の密度が高くても、常に分や秒単位で時間通りに動き、私を含む何万の人々の往来を便利なものにしています。
また、私は日本人から謙虚な心を学びました。誰だろうと、どのような地位にあろうと、日本人は常に謙虚で慎ましく振る舞います。仕事の場、または様々な人間関係における彼らの言葉、身だしなみ、態度からそれが見て取れます。
そして私が素晴らしいと感じることの一つが、日本で学び・働くたくさんのベトナム人と関わる機会です。彼らはまさに日本の地で旗を挙げようとする不屈の精神の鑑です。
ここでは語り尽くせませんが、もしも日本に来なければ学び得なかった事柄はまだまだたくさんありますよ。
4. 日本で夢を実現する過程で、どのような困難に遭遇しましたか?
私は2019年の9月、つまり新型コロナウイルスが流行しだす4~5カ月前に日本に来ました。来日直後は目に映る全てが新しく、学業も忙しかったので時間の殆どを研究室で費やし、仕事にも旅行にも行けませんでした。新生活にも慣れ、外で働いたり津々浦々を巡ったりしようかと思い始めた矢先、多くの会社が勤務体制を切り替えました。アルバイトやインターンの募集は無くなり、観光地の営業や移動も制限されました。特に日本でのアルバイトはベトナムと大きく異なり、1ヶ月の間、特に私の専門に関係する仕事が見つからず落胆しました。
結局とある鰻料理屋でホールスタッフの仕事を見つけ、そこで唯一の外国人として働き始めました。接客、仕事の習得から人間関係まで、 想像以上に難しく感じました。日本に来て初めての仕事は、私に多くの教訓を与えるとともに、私に何が足りないか(対人能力、語学力、接客力、交際力等々)を教えてくれました。今となっては、かつての苦労には感謝しています。あれらがあってこそ、成長することができたのです。
5. 今後の短期的/長期的な計画をお聞かせいただけますか?
今のところ2022年3月に修士卒業を見込んでいます。元々日本に来て全力で勉強し、多くの仕事を体験し、人生経験を積み上げていく予定でした。これは今もまさに進行中です。ベトナムでも日本語に関わる仕事の機会は多いですし、環境も気楽なので、卒業後はベトナムに戻って働こうと思います。
6. 日本にいる皆様、特に同業の方々へのメッセージをいただけますか?
私の先生から言われた良い言葉があるので紹介します。「能力の王、それは自学能力である」。皆様がいつも健康で、そして失敗も含め常に周りから学び、自分の成長に繋げられることを願っています。